子どもの問い
子どもの問いには、きちんと答えたい。
思っていても、なかなか難しい。
こないだ、娘と二人で国立民族学博物館(http://www.minpaku.ac.jp/)に出掛けた。
ここの常設展示は素晴らしく、世界中の歴史・風俗をぐるりと回りながら眺めることができ、さながら世界一周をしたような気分になる。
狩猟・農耕・漁業、それぞれで道具を使いながら、文明を発展させていったこと。
さまざまな病気、災厄から守るために、祈祷、呪術、宗教が生まれていったこと。
それぞれの土地の風土によって、全く違う暮らしぶりがあること。共通点があること。
歩きながら、なるべく平易な言葉で、娘にゆっくりと説明していく。
「ほら、この魔方陣、プリキュアでもみたことあるでしょ」とか。(※ メキシコ文明の説明)
説明に戸惑ったのが、古びた鎖と足枷の展示だった。
ヨーロッパ・アフリカ間の奴隷貿易に使われたものだ。
昔は、こんなひどいことをしてしまっていた。とても悪いことをしていた。
でも、本当は、自分と同じ生き物だって分かっていなかったんだと思う。怖かったのかもしれない。
こんなひどいことは、もう絶対にしてはいけないし、肌の色や言葉の違いは関係ない。
ほら、オリンピック見たでしょう?いろんな国の人が一緒に競争して、友達になってる。
君にとっての肌色は、いつも使っている黄色に近い色だけど、他の誰かにとっての肌色は違う色なんだ。
たぶん、とても難しいし、うまく説明できない。
5歳の娘にいますべてを分かってもらう必要もないのだけれど、
いろんなことを知ることを喜んでいるうちは、いろんなことを教えてあげたい。
だから、子どもの問いにはきちんと向き合いたい。
うまく答えられなくても。
子どもの問いに対して、親は完ぺきに答えることはできない。
だけど、分からないこともある、ということを知ってもらうこともまた必要な気がする。
うまく説明できないときは、うまく説明できないけど、と前置きをしておきたい。
あとで、ちゃんと調べておきたい。できれば子どもと一緒に。
人になにかを教えるのは苦手だけど、一緒に考えることは好きだ。
だから、一緒に考えてみよう。
0コメント