旅とホテル
旅に変わるとき
旅と旅行はたぶん違う。その違いはなにか、いまいちまだ体感できていないけれど、なにか目的があって行ったり、ガイドブックを片手に行き先を定めるのはたぶん旅行なのだと思う。たいていの場合は、行き先を決めて、ホテルも予約する。だから、旅行だ。でも、ただなんとなく、風に吹かれるままに来てしまった、思いもしないことが起きた、たくさんの新しい出会いがあった、そんなときに旅行は旅に変わるのかもしれない。
どこに泊まる?
ホテルの予約サイトはいくつもある。いざとなったら、スマホでその日に予約を取ることもできる便利さがいい。もちろん利用することも一番多い。でも、ちょっと変わった場所を探したいときは、直接宿に連絡を取る。
ゲストハウスなんかがそうだ。今は数が増えて「ゲストハウス 〇〇」で行きたい場所を検索すれば、たいてい見つけることができる。ただ、寝るだけならベッドとシャワーだけがあるビジネスホテルで構わないけれど、その土地の人と話をしたり、他の旅行者と交流したりできる楽しさがゲストハウスにある。
最近、古い建物をリノベーションをしたホステルが増えている。こうした場所も面白い。とてもモダンにデザインされているところも好いし、居心地がいい。もし、その旅先にあれば、好んで泊まっている。建築やデザインを楽しむ、というただ泊まるだけではない、新しい価値がある。
あるいは、クラシックホテル。古いホテルだからこそのゆとりと豪華さがある。よく磨かれた階段の手すり、レトロなエレベータ、部屋の鍵、意匠を凝らした照明。さまざまなものが面白い。ホテルのなかでゆっくりしたい、と思わせる雰囲気がある。これを楽しまないのは、もったいない気がする。古い建物の佇まいをじっくりと観察する。
今と昔を
泊まる場所は、古くて、新しいのがいい。その土地の今と昔を知ることができる。その建物に刻まれた歴史の記憶、その土地に長くいる人の記憶、それらを知ることができ、新しく生まれている文化、再び集まっている人たち、それらに出会うことができる場所。旅の足を止め、立ち止まる場所だから、その景色をゆっくり見たい。
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