家を探す
家を借りる
大学のときに、一人暮らしをはじめて以来、都合4回の引っ越しを経験している。5回変わった家のなかで、自分で決めたのは4つだけれど、どれもそれぞれの自分にとってちょうどいい、とてもいい家だった。
川の近く
川のそばにある家がいい。川があると、それだけで安心した。京都では鴨川、東京では多摩川。狭い道路ばかりの街のなかで、唯一視界が開けて空がよく見える場所だった。鴨川ではよく歩き、多摩川では自転車を走らせた。
家具はそのまま
なるべく、家具はそのまま次の部屋に引き継ぐ。カーテンも合えばそのまま使う。古い家ほど、窓の規格が合っていることが多いので、うれしい。本棚はもう10年以上、机はこないだようやく処分した。たぶん、まだ何十年と使い続ける家具はいっぱいある。もちろん、仮初めのものもあるので、いつかはいいものを揃えたい、そんなものもある。きっと、今の自分にはまだ見合わないものなんだろう。
狭い家に
結婚して暮らし始めた東京の家は狭かった。40平米ほど。二人分の荷物と、一通りの家具を置くので精一杯。狭い家だけど、一人暮らしの「部屋」から、確かに「家」に住んだ、という実感はあった。
それ相応の古さと下町の街の雰囲気が好く、とても気に入っていた。古い家が好き、というわけではないのだけれど、引っ越すたびに築年数の古い家に住んでいる。もともと、家なんて長い間使うことが前提に建てられているのだから、もっとみんな古い家に住もうよ、という思いはある。
団地に住む
結婚して、子どもが生まれて、大阪に引っ越した。それ以来、団地に住んでいる。古い団地だけれど、手入れがしっかりとされている。敷地にゆとりがあって、木々が多いのもうれしいし、公園も敷地内にある。おかげで、とても子育てのしやすい環境だった。管理の行き届いた古い集合住宅では、すでに治安や防犯といった目に見えない良さが整っている。ご近所付き合いを含め、住人どうしが適度な距離感をすでにつかんでいるので、それに合わせればいい。そうした良さは、家賃には反映されない。だから、安く、安心を買うことができる。
家を買う
諸事情と、いまの団地が気に入ったこともあって、家を購入した。築40年にもなる団地なので、安い。10年住めば、周辺の家賃相場よりずっと安くなる。あと何年建っているか分からないし、終の棲家という感覚は全く無い。新しく建て直されるかもしれないし、またどこかに移り住むかもしれない。それでも、自分の家だから、と自由に手を入れることができるのが楽しい。いろいろと棚を作ったり、色を塗り替えたりと、「自分の家」を作っている。実家に帰ると、どんなに散らかっていても安心する。そんな安心を子どもにも感じてもらいたい。そんな家を作っていくつもりだ。
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