無理しない
無理をしない。
これから先も、ちゃんと生きていくために必ず守ろうと思っていることだ。
身体に異変を感じたら、すぐに仕事は休む。
疲れたら、寝る。コーヒーを飲んでリラックスする。マッサージをする。
残業はしない。夜遊びも控えめに。お酒も、無理しない。
身体のサインを、ないがしろにしてはいけない、と思った。
せっかく今ある自分の身体なのだから、大切にしなくちゃ、と。
妻は言う。
「あなたの身体を大切にすることは、自分のためだけじゃなくて、家族のためでもある」。
それでも、仕事をしているともっと頑張ろうとする自分がいるし、夜の街に佇むときもある。
夜の街は、久しぶりに見ると、少し狂気じみている。
酔っ払いが千鳥足でなにかを叫び、サラリーマンはぐったりと疲れて電車で深く眠っている。
満身創痍の仕事帰り、楽しく騒いだ飲み帰り、それらが不協和音をたてて混在している。
昔の自分はどうやってここに立っていたんだろうと思うほど、たくさんの人の波に酔ってしまっていた。
思えば、小さい頃からほかの人よりもずっと体が弱かった。
あまりに弱くて、小学校の頃から朝礼や式典の際には、決まって立ちくらみがして目の前が真っ暗になって倒れていた。
クラスでも、そんな子はほとんどいなかったし、100人に1人くらいの身体の弱さだったかもしれない。
受験勉強で無理する癖がついて、意外と頑張れることを知ったせいか、20代のうちは無理することを覚えて、身体もそこそこついていくことができたように思う。
お酒を飲んでも、無理に仕事をしても、案外大丈夫だった。
でも、弱い身体は、やっぱり変わらなかった。ボーナスステージは終わり、再び弱い子になった僕は、もう一度自分の弱さとしっかり向き合うことになる。
いま、無理しない、と決めているのは、その結果だ。
他の人はできていても、自分にはできないことがたくさんある。
毎日仕事に行く、それができない人も100人に1人くらいは、いる。
ふだん、そうじゃない人も、日々の変化のなかで100人のうちの1人になることもある。
弱い身体、弱い自分を大切にすること。
これからも、うまく自分をやっていくために、無理はしないでおく。
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