冷たい顔で












朝、起き抜けの娘は機嫌が悪い。





起こしにいけば、「パパ嫌!」と。





仕方がないので、自分のコーヒーを淹れようと豆を挽いていると、



「パパのコーヒーばっかり!朝ごはん作って!!」と泣きそうな怒り顔。





ふだんなら、「はいはい、ちょっと待ってね」と笑顔で受け流すところ、



今朝は、連日の疲れと低気圧の影響で頭が痛く、少しイライラしていた。









とても冷たい顔をして、じっと娘を見た。









そのいつもと違う様子に気が付いたのか、泣きそうな顔が、そのまま泣き始めた。



そして、癇癪が始まった。



こうなると、二人ではしばらく何を言ってもきかないので、まだ寝ている妻が騒ぎに気づくのを待つしかない。





泣いている娘を、しばらくそのまま冷たい顔で見つめていた。









ふだん穏やかな自分の「冷たい顔」がどんな効果をもたらすかは良く知っているし、それがとても怖いものだということも分かっている。





なので、なるべくしないようにしているのだけれど、滅多にしないことが余計にその効果を増幅させる。









いつも、笑顔で優しい穏やかなパパでいれたらいいなと思うけれど、そんなひとは絶対にいない。



もちろん、怒るときも自分の気分に左右されないように、と思っていても、そんなときもある。





中学の同窓会で久しぶりに会ったもう二人の小学生の子どもがいるという友だちは言う。



「わたしは、馬鹿だから、すぐに感情的で機嫌悪くなって怒っちゃうから」





たぶん、頭がいいとか悪いとかじゃないよ、みんなそうだよ。同じだよ。



と、その時も今も同じことを答えると思う。





親も、いろんなことを後悔しながら、育つ。









もちろん、娘はそんなことはすぐに忘れて、夜には「パパ大好き」といって一緒に寝てくれる。


























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