子連れフェス
子どもを連れて
子どもを連れてフェスに行く。たいていの場合は、ライブが行われる音楽フェスだけど、最近では食フェス、オクトーバーフェスト(という名のビール祭り)、クラフトマーケット、などさまざまな野外イベントがある。大規模なものだと、それら全部まとめて楽しめるものがあるかもしれない。フジロックとか。でも、ここではもっと小規模な一日で終わるようなフェスを想定している。子どもを連れていくのに無理のない、そして子どもも楽しめるフェスである。
小さなフェス
昔、フェスの作り手側に参加したことがある。パイプ管をつないで柵を作り、舞台の天井にのぼって幕を張り、看板を作り、機材を運んだ。当日は物品の販売をしていた。かなりの労働量だったが全部ボランティアだった。でも楽しかったし、アーティストと一緒にフェスを作っている感じがとても良かった。小さなフェスだと作り手と歌い手、お客さんの距離がとても近い。いろんな交流が生まれて、新しい音楽や文化が生まれていく過程も垣間見えたように思う。その後、参加した小規模なフェスの多くも、作り手の意図がよく感じ取れるものだったり、実際に会って話したり、参加者どうしの交流も盛んなものが多くて、ただ音楽を楽しむだけではない、皆で集まってなにかをすることで生まれる「祭り」の要素があった。
楽しさは伝わる
フェスは楽しい。大人が楽しんでいる様子は、子どもにもすぐに伝わる。音にもとても敏感に反応する。特にドラムの音。もちろん、近すぎる場所では聴かない。少し離れた場所で、みんなが躍っている様子もふくめて眺めながら、たまに走り回ったり、土いじりをして遊んだり、そんなことをして音楽を聴いている。
子どもも楽しい音楽
子どもが生まれる前から、音楽はさまざまなジャンルを聴いてきたが、やはり生まれてからはだいぶ限られてきた。騒がしすぎる、勢いのある音楽はやはり避けるようになった。もちろん、それもまたアリだと思うが、どうしても体格の小さい子どものことを思うと、過剰に音を摂りすぎてしまうのではないかと心配になる。アコースティックなものや、アイリッシュなど民族音楽調のもの、ピアノの弾き語りなど、自然とシンプルな懐かしくなるような音楽を聴くことが多くなった。
音楽だけじゃない
主催者側にも、子どもができる人が増えてきたせいかもしれない。最近のフェスには、必ずと言っていいほど、キッズコーナーがある。ミルクをあげたり、おむつを替える場所もある。無理なく、子どもも楽しめる工夫がされているのは、本当にありがたい。大人どうしで来た時と同様に、好きなアーティストの演奏時間以外に、違うことをして楽しみたいこともある。子どももずっと音楽だけでは退屈する。
無理しない、頑張らない
子どもは寝るのがはやい。お昼寝もするかもしれない。だから、フェスにいってもトリを聴けないこともある。一日だけのフェスでも、近場に泊まることもある。それでも、子どもと一緒にここまで来て、一緒に音楽を楽しめただけで、とてもうれしい。それだけで、子どもに「付き合ってくれてありがとう」と言いたい。だから、無理しない、頑張らない。
一緒に楽しむ
もしかしたら、フェスに子どもを連れていくことを非常識と感じている、迷惑だと思う人もいるかもしれない。静かに聴きたいときに騒いでいたり、泣いていたり、子どもがしんどそうにしているのを見てかわいそうに思ったり、いろいろなことがそうさせるのだと思う。だから、すべての親は自分たちの家族だけじゃなくて、そこに来ているお客さん、アーティスト、関係者の人皆で一緒に楽しむことを考えてほしい。「無理しない」のは、子どものためだけじゃなくて周りの人のためでもある。みんな楽しむためにフェスに来ている。だから、みんなで一緒に楽しみたい。子どもを連れていっても、きっとそれはできるはず、と思っている。
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